JAEA-SDB System の概要

1. はじめに
放射性廃棄物の地層処分システムの安全評価において、緩衝材(人工バリア)および岩石(天然バリア)における放射性核種の移行の遅延を評価することは重要です。その際、溶液中の核種が固相に収着される程度を示す分配係数は、評価上の重要なパラメータとなります。
本システムは、国内外で取得された緩衝材や岩石に対する核種の分配係数の実測データ(文献情報)を取りまとめた収着データベース(JAEA-SDB System)です。


2. 登録元素および固相
対象元素は、高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価上重要である 22元素に、他の放射性廃棄物処分の評価対象など36元素を含め、合計 58元素を対象としています。
対象固相としては、岩石、鉱物、粘土、酸化物等の純粋固相としました。
また、土壌やセメント材料について確認されたものに対しても、データの抽出、登録を行いました。
重要22元素Ni, Se, Zr, Nb, Tc, Pd, Sn, Sb, Cs, Sm, Pb, Bi, Po, Ra, Ac, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm
付加的元素Ag, Ce, Co, Eu, Fe, Sr 等


3. 登録データ
データの調査、抽出は、現時点で 2009年までに公開された収着に関連する論文、レポート等を対象としており、最新のJAEA-SDBには、分配係数 約46,000件と文献 約670件を登録しています。
なお、最初のJNC-SDBを作成する際に、1989年 OECD/NEA により取りまとめられた収着データベース (Ticknor and Ruegger, 1989) からデータの取込みを行いました。
これまでの SDB の改訂経緯の詳細については、JAEA-SDB 改訂履歴をご参照下さい。


4. データベース構成
JAEA-SDB では、以下に示す 19項目について文献等から情報を抽出し、データを記載しています。
さらに、データの信頼度評価ガイドラインに基づく個別データの信頼度評価に関する情報を、一部のデータについて掲載しています。
 JAEA-SDB System の項目
 ・元素・酸化状態・固相
 ・液固比・溶液情報・初期および最終 pH
 ・初期および最終 Eh・試験における雰囲気状態・トレーサー濃度
 ・温度・試験期間・固液分離法
 ・分配係数・誤差・分配係数情報の種類
 ・繰返し数・文献名・付加的情報
 ・信頼度情報=> クライテリアⅠ:情報の網羅性
=> クライテリアⅡ:方法・条件の適切性
=> クライテリアⅢ:データ相互間の整合性


5. ご使用に当たっての注意
この JAEA-SDB System には、以下の2種類が利用可能です。
 ・JAEA-SDB System (Web 版)
   → SDB Web 版
 Web 上でデータの検索、閲覧、保存、グラフ化等ができるシステム
  Web ブラウザ上で稼働
 ・JAEA-SDB System (Access 2002 版)
   → SDB Access2002 版
 Web 版と同一のデータを保持。但し、機能に一部制限あり。
  ダウンロードして Access 2002 で使用。
  Windows 上で稼働
インターネットの使用が可能な環境の場合、Web 版の利用をお勧めします。インターネットが使用できない環境の場合、Access 2002 版での使用が可能です。
(詳細は動作環境の頁をご参照下さい)


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6. 参考文献
データベースの内容や活用法等の詳細については以下の文献を参照して下さい。なお、本データベースを活用した成果を公開する場合には、以下の文献を引用して下さい。

(信頼度評価の詳細について)
(対象文献の詳細について)


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